報道で「坂本スミ子」さんの訃報に接し、古い話を思い出しました。坂本スミ子さんといってももう名前は聞かれない、昔は歌手、女優で結構有名だった。      

 私は川崎市で、自分の初めての選挙(昭和61年)で必死、一世一代の大勝負、3000人を超す大会を企画していた。ある後援者の思い入れで坂本スミ子さんを呼んでくれた。「歌手坂本スミ子、来る」と看板を市内中に立てて、人寄せをした。      

 本番になったが、彼女は歌わなかった、何故なら、プロ歌手の本物の歌は、本来高額有料でしか聞かれない、無料入場の観客に対しプロ歌手の歌を聞かせたら、それは有権者への買収になるという。法律的にはそれも正しい、私は本番直前に決断した。私は舞台に登場した坂本スミ子さんと「対話」することにした。彼女は歌うつもりで来たので面食らったろう。私も彼女もお互い相手のことは知らない、壇上の2人は適当に取り繕(つくろ)うこととなった•••。      

 大会を終わった後、多くの参加者には顛末を説明したが、分かってくれただろうか、今でも汗が出る。      

 選挙とは本当に難しい、私はその中で40年近く生きています。