福島の東京電力原発(F1)処理水について新聞の取材があったので、率直に考えていることを発言した。 そもそも一昨年の9月、私は環境大臣を終える記者会見で、130万トン以上溜まりに溜まったF1の処理水は、「希釈して、結局海洋に放流するしかない」と発言した。思いつきでなく、私は大臣在任中に多くの識者と情報交換したうえで、意を決して発言したもの。根拠としては原子力委員会委員長が安全性に問題はないと言明していたこと、その際「いわゆる風評被害」については国が完璧に補償すべきことを大前提とした。爾来1年半、国の方向性は資源エネルギー庁「小委員会」で検討せられているが、ほぼ海洋放流に絞られてきた。        

 それを具体化するには地元の人々、漁業者の了解を当然に必要とする。政府、東電はその努力はしているがこのまま睨み合えば何十年掛けても解決しない。私は言う、あの「小委員会」にもっと権威と権限を与えよ、そこで決まったことは自信を持ってあらゆる権限を行使せよ。現状の調整努力は些か大人しく、遠慮がちに見える。補償と風評被害には国が前面に立って十二分に対応せよ。国民的にはその解決が早いほど良く、そのためには持てる対策や補償を惜しんではならない。難物とされる「トリチウム元素」の研究もその後着実に進んでおり、説明を尽くせば地元は十分に聴いてくれる。科学的根拠と風評対策につき国が必死の形相で説明すれば、地元、漁業者への説得は可能である。

 今回の取材は『世界日報』という新聞で、影響力は全国紙ほどではないが、それでも真面目に取材して、勇気を持って正しく報道してくれた。1日でも早く解決することが、地元福島にとっても必要であることをこれからも訴えつづけていく所存である。