バイデン大統領は4月30日、就任100日目での議会演説において、中国を明確に「専制国家」(Dictatorship)と位置付け、将来にわたる国家間競争では民主主義の態勢こそが共産主義より遥かに優れていることを示そうとする。バイデン氏はこの100日間で対中姿勢を明確に示してきた。バイデン氏は米中対立を「専制主義」との戦いと位置づけ、習近平氏との電話会談でも、インド太平洋地域では紛争を防ぐため軍事力を維持することや、人権問題で妥協しないことを直接に伝えた。日米印豪で連携を広げたり、ウイグル人の弾圧をめぐる対中制裁行動にはトランプ前政権で疎遠になった欧州(EU)も加わった。トランプ大統領に比して対中融和に転ずるのではとの懸念があったが、それはほぼ完全に払拭されている。      

 日本は国際秩序と民主主義を両方最も厳しく守る立場にあり、一方で尖閣諸島を狙う中国の直接的脅威にさえ晒されているが、ウイグルや香港問題で先進7カ国(G7)で唯一対中制裁を行わず非難行動も取らない。民主主義へのバイデン氏の危機感は、日本にとってはそれ以上の危機として受け止めなければならない。